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ライヴ/山田悠介

文庫本、読了。

遅効性ウイルスが日本で突如発生し、国民を恐怖に陥れた。その名はドゥーム・ウイルス。
発症すると2〜5年をかけて身体を蝕み、ちょっとした風邪などで合併症を引き起こし死に至らしめる。
治療法は未だ発見されていない。現段階の技術力では辛うじて発症後の進行を遅れさせるのみ。

そんなウイルスの特効薬配布される、とインターネット掲示板(感染者の開設したサイトなど)で書き込まれた。
具体的な場所・時間と共に。
数日で書き込みは消されてしまったが、不治の病に頭を悩ませる感染者の家族は一様にその噂を信じる。
藁にもすがる思いで。

噂を信じて集まった者達は宣告される。
「今からマラソン・自転車・水泳によるレースを始める。ゴールした者には特効薬を提供しよう」


ってな具合に始まる本作、様々な人間模様を織り交ぜつつ、危険なレースに挑む。
リアル今日とかの猛暑に、訓練されてない素人が一縷の望を賭けて戦う。
…まぁ普通に無理で、どんどん脱落者は増えていく。
参加者の中には歪んだ心の者もおり、開催者も思わぬ展開になったりする。
また、国家や警察は関与しておらず、マスコミもどこからか寄せられる謎のFAXを頼りに中継生放送する。
放送していながら、予測不能の番組なのだ。

まぁ本作のみではないが、山田式ご都合主義によって、競技者からレースの目的は明かされない。
何のために、何処へ向かって必死に走りつづけるのか。それもわからぬままTV局は追う。

今回は絶望成分が少なく、相変わらず大オチのインパクトもなく…。
by shivaryu | 2010-08-23 19:24 | 携帯から