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(言い訳)
実は5月はONE PIECE読破月間でした。
連載開始当初、ジャンプで少しだけ読んでおりましたが、何かの理由で読まなくなり・・・その後、恥ずかしながら「ONE PIECEトークに雰囲気で乗っかる」という手法でやり過ごしておりましたw
で、GWの予定がいろいろガタ崩れになったのもあり、一気に62巻読破してやろうと思い、家でゴロゴロしながら読み進めてた訳です。
だから、小説とか読めませんでした。
(言い訳おわり)

さて、紺野作品をまた見つけてしまったので購入し、通勤のお供にすること1ヶ月・・・やっと読み終えた。
「ツクツク図書館」とは通称である。筑津区にある「図書館」だからそう呼ばれている。
正確には門前に掲げてある看板は「図書館」でしかない。
この市には中央図書館とこのツクツク図書館の2つしかない。

さて、このツクツク図書館だが、おもしろくない本しかない図書館だ。
普通は面白い本もあれば面白くない本もあるのが図書館だろうと思う。
だが、ここにはおもしろくない本しかない。
そんな図書館に新たに職員として入る「着ぶくれた女」を主人公としたお話。

非常にユニークな図書館であるのは上記の通り。おもしろくない本しかない、って・・・。
そして作りもユニークで、廊下がないのだという。部屋と部屋が繋がってる状態なのだ。
と、とても面白い図書館なのだが、誰でもいける訳ではないらしい。この図書館は来る人を選ぶらしい。
それゆえか(面白くない本しかない事で有名だからか?)来館者はほぼいない。
そんな図書館の職員は何をするのか。図書館にある誰も手に取らない本を読むのだそうだ。
面白くない本を読む・・・なんという苦痛。
そんな日常と徐々にあらわれる変化を描いた物語。

紺野キリフキさんの文章って読み飽きない。
とても読みやすく、とっついたらスルスル最後までという感じではある。
って本棚荘の時も書いたっけ・・・?w
# by shivaryu | 2011-06-01 00:59 | 読書
石塚真一さんの漫画を元に映画化され、今日(5月7日)公開って事で、行ってきました。
原作が好きなので心待ちにしてた。
ただ、キャスティングを知った時、主人公の島崎三歩が小栗旬はちょっと違わないか?と思ってた。
放映開始10分で間違いじゃないと思った。
小栗旬ってやっぱ器用な役者だなぁ。見事に島崎三歩だった。

これは原作を読まなくても楽しめる。
読めばもっと楽しめるけど。
というのも、この「山バカ」島崎三歩のバックグラウンドとキャラクターを知っておいた方がいいと思う。

世界の山を渡り歩き、後に海外で山岳レスキュー隊に所属した事もある。
今は生まれた長野・北アルプス(穂高の中腹)に住む。
遭難対策協会に所属し、山の安全を守る男…って訳でもない。
自然はいつ牙をむくかわからない。
もちろん事前に危険を察知していれば守るのだが、突発的な事は仕方ない。相手は自然なのだから。
しかしそんな自然の脅威の前に立ちすくむ登山者を励まし、生きて下山させようと懸命になる姿は誰の心をも打つんじゃないかと思う。

まぁ私はナオタ君の出てくる話では100%泣くので…ハンカチ持った方がいいと言っておく。
# by shivaryu | 2011-05-07 15:49 | 映画
ハードボイルド・エッグの続編。
前作同様、ハードボイルドに生きる私立探偵「フィリップ・マーロウ」に憧れる男のお話。
殺人事件等には全く関わりなく日々をペット探しに費やす私立探偵・最上俊平の物語である。

そもそもの「フィリップ・マーロウ」を知らないが…名言である"タフでなければ生きていけない"の人と言えば何となくハードボイルドの人であるのはわかってもらえるんだろうか?
(私自身は北方謙三あたりが葉巻をくゆらせつつ言ってるもんじゃないかと思っていたが。)

で、まぁ本作も前作に続いてペット探しを軸に美人な依頼者や暴力的な方々を絡めてのハードなお仕事を描いている。
失踪したペットを追うのだが、そこにはマーロウ好きな方々が(おそらく)ニヤリとするような言い回しがあるのは前作に同様だが、著者はペット、特に猫に関して相当の知識を持ち合わせているだろう事が窺える記述もある。
いや、本当に失踪したペットを明日からでも探せそうなノウハウ(っぽいこと)が詰まっているのだ。

ああ…前作は失踪犬の捜索が軸だったが、本作は失踪猫の捜索である。
猫が好きな人はこちらを読んでほしい。
多分、猫に関する知識が詰まっているので「ほほぅ。」とうなずいてもらえるものがあると思う。

前作に比べて若干ボリュームがあるが、退屈なのは冒頭だけ。
ハードボイルドに関する記述が若干面倒だが、徐々に読み慣れてくればサクサク行けるはず。
# by shivaryu | 2011-05-03 23:04 | 読書
以前から予定していた通り、3月末の連休に妹夫婦が遊びに来た。
家が賑やかになるので空気が一変して、日常もより色鮮やかになった。

で、まぁ私は下戸な方なので、(やたら飲む)義弟の酒の相手をできるほどではなく、"どこか行きたい所があればお供するよ?"ってなノリで話をしていた。
・・・ら、「比叡山延暦寺に行きたい」との申し出。
おぉ、いいねぇ!と二つ返事で乗った。
"よく考えたら行った事ないなぁ。"と言っていたのだが「アンタ行った事あるやん」と母親からツッコミ・・・覚えてねーよマジでw

前日の晩に何時出発とだけ決めて出発。
「義兄さん、雨天決行ですよw」とか言うので"おう!行くと決めたら行くぞ!"と・・・言わなきゃよかったか。
にわかに雨がしたたる中、おけいはんに乗って京都へ。
京都市中・地下鉄に乗り琵琶湖の一番下、浜大津を経て叡山坂本へ。

またこの日がよく冷える日だった。
・・・当然、比叡山へのロープウェイを降りたらさらに寒い。
そらぁそうだ。標高800Mだもんなぁ。(比叡山山頂は848M)

前晩に"歩こうぜ!"と行ってたのでちょっと薄着だったんですよ。
こりゃ・・・冬装備でいい感じだぜ・・・
でもまぁ歩いていると体温がそこそこ上がって来るのでつらいのは雨風だけ。
傘を持つ手がかじかむのが困ったもんだった。

比叡山は3つのエリアからなる。
根本中堂(コンポンチュウドウ)のある東塔(トウドウ)
転法輪堂(テンホウリンドウ)のある西塔(サイトウ)
横川中堂(ヨカワチュウドウ)のある横川(ヨカワ)

ロープウェイでまず東塔に着いたので、根本中堂を見る。
・・・ここに至るまで、天台宗と比叡山を理解していなかったのだが、中堂の中にある延暦寺が輩出した高僧の名を見て遥かなる歴史を感じた。
比叡山を回っているうちににわかってくるのだが、この延暦寺というのは当時の「お坊さんの学校」となっていた訳だ。
伝教大師・最澄は比叡山で優秀な僧を育て、国のために教えを伝えて行ったのだ。
浄土宗を開いた法然、それをさらに高めたとする親鸞、
鎌倉時代に臨済宗を開いた栄西、曹洞宗を開いた道元、
さらに後に日蓮宗を開いた日蓮・・・と、高名な僧を産み出した場所なのです。

んで、まぁ国の重要文化財や県の重要文化財が多いこの場所を言葉に表わすのは非常に難しいので割愛させてもらおうと思う。
長い歴史を感じさせ、またそれぞれに趣の深さがあり、かつ、建立された時々の建築様式が様々でなかなか興味深いものばかりだった。
(義弟が建築関係なのでその道の知識が多少あり、あーだこーだ話をしてました。)

さて、この比叡山を歩いて回るというのが結構なもんだった。
いやいや、その昔はそれこそ歩いて回るのが当然だったのだが・・・昼には上がったものの雨によって道が悪い事もあり、東塔・西塔を歩いたものの挫折。
少し距離がある横川にはバスを使った。

朝8時に家を出て、10時前に延暦寺へ到着。
約6時間を山上で過ごして下山。当然、薄着・・・そらぁ風邪もひくわなw
途中から鼻水が出てたのは寒いから、と思い込んでの山中行でございました。

このお参りの際、何だか自分の事で何かを祈るような気分になれず、受難の渦中にある多くの方々に一日も早く安らかな日々が訪れるよう祈るばかりでした。
# by shivaryu | 2011-04-07 15:51 | 日常
タイトルに惹かれて購入。
読み始めたらするする進んだ。読了までおよそ3日。

「昔はね、家賃を払えない時は本で払ったものなのよ。」という大家さん。

これは東京のとある場所にある本棚荘のお話。
最初はこの冒頭の文章から「だから本棚荘なのかー」って思ってた。
違うのだ。このアパートの中ほとんどが本棚なのだ。
廊下はもちろん、各部屋にそれぞれ違う本棚が置いてある。

山に住んでいる"とげぬき師"の姉妹。
林業が盛んゆえ、とげぬきの仕事も繁盛していた。
主人公はその妹である。
姉はとげぬきの名人であり、その腕に頼るお客も多かった。
一方、妹も腕は確かなのだが姉とは違うようだ。
姉いわく「あなたは上手すぎる」のだそうだ。

姉は山だけでこんなに需要があるのだから、都会の東京にはもっと必要とする人がいる、そう信じて山を下りて都会へと旅立った。
山で祖母と二人で過ごしていた最中に連絡があった。
「もっと多くの人が必要としている。だから海外へ出る。お前は留守番をして欲しい。」
折りしも山のふもとの会社で事務員をしていたのだが、不況の煽りで辞めさせられたため、ちょっとだけ興味もあった事だし東京へ出る事にする。
そしてたどり着いた本棚荘。
そこに住む猫遣いの男、多くの時間を眠っている女・・・そしてとげ抜き師の妹。
ユニークなキャラ達との束の間の物語。

設定の不思議さもさながら、詳細に説明しない事で読者の想像に任せる部分が多い。
しかし説明していないのに、おぼろにどういう事なのか見える・・・ようで見えない。
そこに物語へ引き込む要因があるんだと思う。
主人公の「とげ抜き」に関してもそう。
冒頭に山に住んでいること、林業が盛んな場所であることがあるので、本当に木のトゲを抜く人なのかなぁと思っていたけど、徐々にトゲとはどのようなものなのかが話の流れに沿って明かされていく。

本屋さんで見かけたら手にとってパラっとめくってみて欲しい。
その瞬間にきっと引き込まれる事だと思う。
# by shivaryu | 2011-03-28 18:01 | 読書