…まさか読了しているのに書いていないとは。

誉田哲也氏の書く刑事モノの小説。
フジの2時間ドラマで映像化されており、これが好評を博し火曜ドラマ枠で連続化、近く映画公開も決定している。
小説自体は書評者いわく「女性刑事小説の三本柱たりうる作品」

主人公は姫川玲子、29歳、警部補。
警視庁捜査一課十係に所属する主任刑事。
いわゆるハンチョーである。

班に所属する部下にも恵まれ、また上司にも恵まれた女性刑事。
容姿端麗、頭脳明晰。
でも強いてあげるなら…強いてあげる点が多いわw
彼女がノンキャリアで若くして警部補まで駆け上がった経緯には理由がある。
直観型の刑事で、ピンとくるものがある。
まぁトンデモな推理ではなく、様々な要素あっての閃きによる推理で事件の真相へ近づいて行くのだが、その一足飛びに解決に向かう様を苦々しく思う同課別班。
特に女性でイッパシの刑事やってるのが気に食わない者もあったりする。

合同で捜査する事となった公安上がりで情報戦に長けたのガンテツこと勝俣警部補との確執や、姫川班の面々との人間模様も描かれていて面白い。
読んでいてどんどん姫川玲子の中に入り込んでしまう感があった。

私は連ドラを見て非常に面白いと感じ、原作へ回帰する形で読み始めた。
(毎週火曜は21時に帰って、間に合わない時は録画していたほど…これは私的には近年まれに見る行動w)
そのため原作のキャストをドラマ出演者に仕立てて脳内映像化していたのだが、割とギャップはなかった。
明らかに違うと感じたのは、菊田という男。
姫川班の副リーダー的な位置の巡査部長で、ドラマでは西島秀俊さんが演じているのだが…どうにもこれだけは原作と違う。
作中でゴリラと称される程の男、と言えば違うのはすぐわかるかと思うw
誉田氏は作品に登場する人物には細かに俳優を設定するとの事で、必ず「原作者の設定する演者」がいる訳で…原作菊田=照英かなぁ?とちょっと予想した。
しかしながら、ドラマ版の西島菊田も味わい深い。
西島さんが原作菊田をそのまま演じると、そもそも野暮ったい男なので合わないのだが、西島菊田は原作菊田にない男の色気があり、補って余りある。
原作を読み終えて、ドラマ(DVDにもなってます)を見て、改めて良さも見えてきた。

そう考えるとドラマから入って原作へ進んだのは正解だったかも知れない。
(うまく補正しながら脳内映像化できているから。)
面白いから姫川シリーズはとりあえず読み進めて行きますよ。
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# by shivaryu | 2012-06-28 14:01 | 読書
ストロベリーナイトに続く姫川玲子シリーズ。
ドラマではラスト3話を使って描かれた。

事件の真相についてのプロセスも面白いが、姫川とサブキャストとの関係の進展も面白い。
姫川が苦手とする日下と共に事件解決に向け捜査を進めるのだが、直感型の姫川と、実証型の日下では流石に噛み合わず、彼女の対抗心は浮き彫りにされ、スピーディーとまでは行かないが、丁寧かつダラダラ感なく話は進んでいく。

日下は姫川と同じ捜査1課10係に所属する警部補。
同課・同等級ゆえにライバルではあるが、それ以上の敵視っぷりとその理由が描かれている。
ストロベリーナイトでは盲腸を患い、終盤に少しだけ登場するのみ、しかも姫川が一方的に敵視している面を書かれているだけだった。
だが、姫川が思うほど嫌な男ではない事が彼と菊田の対話や家庭との向き合い方、または上司である今泉が姫川に聞かせた日下の過去話に表れていて、読んでいる大半は姫川に魅力を感じているだろうが、本作品を読めば姫川が嫌がる日下にも多少の愛着を持つのではないかと思う。
少なくとも私はいい刑事だなぁと魅力を感じた。
(まぁこの作品に出てくるメインキャストは魅力的な人間が多いが。)
また、ドラマではほぼ描かれていない姫川と菊田の恋愛の進展もうかがえる。
次作でどうなるのかは楽しみだが、菊田じゃダメだろうなぁとか想像したりもw

次は短編集「シンメトリー」
ざっとパラ見した感じではテンポよく読めそうな気がしてる。
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# by shivaryu | 2012-06-28 11:44 | 読書
文春文庫のオムニバス。
阿川佐和子、石田衣良、角田光代、熊谷達也、小池真理子、重松清、朱川湊人、高樹のぶ子の8人による「香り」をテーマとした読み切り集。

なかなか読む時間がなくて結構かかったなぁ。
でも一本がさほど長くないから、都度読み進めてやっと読了。
まぁ筋がそれぞれ違うから説明は抜きとして。
「コーヒーもう一杯」という重松清さんの話は同じ事があった訳ではないけど、似た思いを追体験するような感覚に陥り、すこし目頭が熱くなった。

私にとっての記憶に残る香り。
やっぱり珈琲かなぁ。カナじゃなく感じ。
自分で淹れる時にその記憶と共にある感覚を呼び起こしてむず痒いような気分にひたってしまっているのかもなぁ。
珈琲をよく飲むようになり、それなりに自分のこだわりが出てきたのは高校を出た頃だから、やっぱり大人になった感覚には珈琲の香りがあるし、生活とフィットしていたからどんな場面にもまとわりついていたのかも知れない。
ある時は仕事がうまく行かなかった悔しさ、気配りができず相手を不快な思いにしてしまった悔しさ…あれ、苦い思いが多いな、とか思う。
本文中に"コーヒーの味は不思議だ。それだけなら苦いのに、胸の奥に苦い思いがあると、それを包み込んで、むしろほんのりと甘くなる"とある。
読んだ時になるほどー、と思ったもんだ。
そして、自分はいつも苦々しい思いをしてるんだろうか、なんて振り返ってしまった。

苦さを知るからこそ甘みをありがたく感じるもんだから、まーそういうバランスだなぁ。
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# by shivaryu | 2012-05-20 16:34 | 読書
色々と戦国時代というものが腑に落ちた読本。
漫画はオマケ、読物主体なので軽いものをと手に取ると大変な事になりますよ?

「センゴク」の宮下英樹さんの漫画で問題提起、本郷和人さんの解説で進行する。
この本では戦国時代とは何だったのか、侍の本領は何だったのか、侍とは大名とは何なのか、天皇・貴族と大名・侍の関係性…などなど、実際の史料の情報から仮説を立てて書かれている。
まぁ本当の正解ってのは無いので、こういう説があってこうだと思うよってな話になってますな。

その昔、中学とか高校で漠然と「六波羅探題」だの「征夷大将軍」「守護」「地頭」という地位の名前を覚えさせられてたけど、結局のところそれが何をしてて、どんな意味があったのかなんて考えてもなかった。
ただコトバとして頭に入ってた感じ。
まぁそういうのがどうして与えられていたか、名乗っていたかというような話がスーッと入り込んでくる感じで、すごく楽しめた。

戦国時代により理解を深めたい人は読んで損はないかと。
難しい専門書じゃないから平易な言葉でわかりやすく解説されてていいですよ。
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# by shivaryu | 2012-03-20 20:56 | 読書
生田斗真主演。んで、麻生久美子さんも出てる作品。
これ本当は映画館で観たかったんだよなぁ。
TVスポット見たんだか忘れたけど、気づいたらレイトショーで深夜に上映してて。

山の中の小汚いモーテル「シーサイド・モーテル」が舞台。
それぞれに思惑があり、順に描いていく人間群像劇。

主役はインチキ化粧品(ってかスキンクリーム)を売るセールスマン。
就職時に謳われていた「年一回の社員旅行」と称した行商の旅に出されている。
「持って出たクリーム全部売るまで戻ってくるな!」と。

そこへやってくるコールガールが麻生久美子演じる「CANDY」
部屋を間違えているのだが。

この二人の騙しあいがたまらなく面白い。
本当の愛って何?愛に偽りとかあんの?
なんかそういう感じ。

また別の部屋。
ドえらい格好した婦人を演じるのは小島聖。そしてひれ伏す男、古田新太。
股間をぐりぐり踏むご婦人とそんなイヤそうでもない雰囲気の男。
なに?こっちもコールガール?昼間っからこんなんばっかかよwと思ったらこちらはご夫婦。
忙しい仕事を抜け出し、ちょっとだけ夫婦旅行を・・・とやってきたこのモーテル。
さすがにこれじゃ機嫌も悪くなる。(主に旦那の「不能」っぷりにお怒りのようだが。)

そして別の部屋。
いかにもダメっぽいイレズミの男を山田孝之、くっついてきたバカっぽい女に鳴海璃子。
とにかく金なんて大して持ってない。ダラダラとホテルで過ごしている。
とりあえずピザを頼み、18時までに来るか来ないか賭けをする。
buzzzzzzzzとけたたましい音と共にやってきたのは・・・借金取り演ずる玉山鉄二と下っ端・柄本時生。

さらに別の部屋。
おしゃれっていうかハイカラな格好をした男、池田鉄洋。
スラっとしたスタイルのいい女、山崎真美。
キャバクラで知り合った二人。
出会って半年、今日こそ何とか落としたい!と力の入る38歳。
高級温泉旅館って言ったのにー、つって自分勝手にわがまま放題。
まぁ、そんなもん嘘ですよ。最初っから温泉なんて行かないのです。

とまぁ、それぞれ騙し騙されて一晩を過ごし、ホテルを出て行く訳です。
また日が昇って誰にも平等に朝は訪れるのです。
偶然に巡り合って歯車が合うなんて事はそうそうないものです。
でも、愛ってーのは何なのだろうかと考えてみてもいいかもなーって思うかも知れない作品です。
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# by shivaryu | 2012-02-19 23:43 | 映画