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調子に乗るとすぐ読める。
悪天に恵まれた(?)ので読書に一日を費やす事とした。

「図書館戦争」シリーズ二作目の「図書館内乱」に出てくる、キーともなる本がこの作品。
「内乱」にも本書のあとがきにもあるが、図書館シリーズとは別の出版社から発刊されるという何ともアクロバティックな試みをした本作。
しかも内乱の装丁へ「レインツリーの表紙を書き込む」という、あまり聞いた事の無い徹底したコラボレーションっぷりだったらしい。
私はただ「内乱」の表紙を見て「おぉ!」と声を出しただけだがw

「内乱」のエピソードにざっくりと本作の内容が描かれており、すんなり読めたというか、予習ができている分だけ主人公の迂闊な行動に先んじて"あーあーコレはやってもうたで・・・"と思ってしまうぐらい。
だから読了が早かったんだなぁ、うん。

主人公は普通のサラリーマン、向坂伸行という。
快活な二十代の青年で、爽やかであろう風がありありと伝わってくる。
中学生の頃に読んだラノベがあった。そしてそのラストに落胆していた事を思い出した。

・・・急な思いつき。こういうの割とある。私はすぐ携帯でググる癖がある。
彼も同様に自宅PCで調べてみた。
あのラスト、みんなどう思って読んでたんだろう。感想ってどうなんだろう。
・・・あるある。なかなか思うような検索に行き着かないのなw
これも同様。何ページか送った後にラストについて感想を述べるページを見つける。

あぁ、こういう解釈もあるのか。なるほど、そう受け取ったのかぁ。
おそらく読後のテンションが戻る瞬間。
こういう時間を共有できる友達や彼氏・彼女がいれば人生は何倍か楽しいことだと思う。
彼は十数年をかけてそんな人を見つけた気持ちだっただろう。

そのブログTOPへ行く。「レインツリーの国」
"ひとみ"という女性が書いているようだった。
衝動のままに彼女に感想文に対する意見を書き綴り送ってみる。
本人は返事を求めておらず、ただ感想の最後にあった一文「個人的な思い出を語られても面白くないですよね。失礼しました。」に対する答えをしたかった。
彼は探してたから。この本への感想を、特にラストについての感想を。
中学生時代に誰とも語れなかった話が出来る相手が「面白くないですよね」っていうのがフォローせざるを得なかったのだろう。
ここから伸行とひとみのメールが始まる。

徐々にメールのやり取りで心の距離を縮めた二人がどこかで会おうとなるのも現代ならば納得が行くというか、もうこのご時世で不思議な出来事でもない。
ただ、ひとみはメールのやり取りでは語る必要のなかった隠し事があった。
会おうとならなければ言う必要のない、彼女の心に秘めた闇の部分とも言える。

ぶつかり合いながら、惹かれ合った二人の恋のお話に涙ぐまざるを得ない部分があった。
いや、境遇とかそういうの、わからないです。
彼女の心の闇も、彼の過去にあった出来事も私には経験のない事なんでね。
取り繕って"うむうむ、わかるわかる"とは言える。
この作品を読んで仮想体験をしている分だけ、土台がないより経験値は1ほど上だと思う。
しかしリアルに体験していないから、正直なところ"気持ちはよ~くわかるよ!"とは言えない。
私にわかったのは、意思疎通をしようという苦労の部分。
生まれも育ちも違う人間同士が本当の意味で分かり合うなんてまぁない訳で。
でも、互いに距離を縮めあって、傷つけあうほど近い距離でも愛し合おうという努力をするのはわかる。
自分がもし彼の境遇にあったとして、これほど心を削って努力をできるだろうか、と振り返る。
もちろんできる。  ・・・と思いたい。

そんな、本作で言うなら「青春菌」に心を揉み解された一日、そして読後感である。
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by shivaryu | 2011-10-22 19:59 | 読書
著者はイルマヒトマさんと読みます。
なかなかにほのぼのしつつ、それぞれの心情描写が鋭いというか、入り込みやすい感じで、苦々しい気持ちになったりもする(かも?)

こういうの何ていうジャンル名かわからないので「阪急電車」系と勝手に言いますが…色んな人が不思議な繋がりで最後は幸せな気持ちにもなる作品です。
点と点が繋がって線になり、線が繋がり円になるというか。

ローカルなネタしか転がってないとあるネット掲示板にスレが立つ。
「カツ丼は作れますか?」

…仮に某どこかでこんなスレ立てても数レスもつかずに落ちてしまうだろう。
ま、そこはマイナーなBBSでのこと。スーパーの特売情報なんかと一緒に居座りつづける訳だが、そのスレを見た人々の反応が描かれていく。
厨二病の女性、童貞の高校生、退屈な夏休みを過ごす少女、ニートなのに同棲してる男。
それぞれがそれぞれのカツ丼を思い描き、このスレにレスを残す。
スレを立てた者もまた、そのレスを見て思い立って動き出す。

読後は微笑ましい気持ちになる。
読む時間がなくて読了に結構かかったけど、本好きな方ならスルスル読めるんじゃないかと思う。
積んでるの消化したら入間さんの作品、追っかけてみるかな。(いつになるやらw)
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by shivaryu | 2011-10-22 14:20 | 読書