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シンドラーのリスト

長編映画はひさびさに観る。

(あらすじ)
第二次大戦中、シンドラーはほうろう鍋の工場を作る。
そこへドイツ軍に迫害されていたユダヤ人を労働力として利用する。
彼自身、ナチス党員だがユダヤ人に対しての悪いイメージはなく、安い労働力として利用した。
ドイツ軍の戦況が悪化するごとにユダヤ人への迫害も悪化。
シンドラーの工場で働いていた人たちも強制収容所へ送られる事に…


非常に興味深かったのが、シンドラーの心境。
作品冒頭では本当に単なる利益を追う経営者で、安い労働力を得られるのだからという理由で工場へ引き入れていく。(実際に動いたのはユダヤ人の会計士だったのだが。)
一度工場から収容所へ引き上げられたユダヤ人を取り戻す際から気持ちが切り替わる。
救いたい、というよりも「ウチで働かせてやりたい」という感じか。
収容所にいるといつ死ぬかわからない状態で酷使される。
同じ労働でもそういう強迫の下であるかそうでないかは雲泥の差。

そして、終戦を迎える前に、ドイツ軍から1100人のユダヤ人を故郷の工場へと譲り受け、私財を投じて解放されるその時まで守り通した。
また、そのいわゆる「シンドラーのリスト」を作成する際には会計士と共に1100人の名前を思い出してはタイプさせて行っている。
それだけの人間の名前、覚えてられるだろうか?
作中にたくさんのナチス・ドイツ軍の高官と交流をしているが、彼らの事も頭には入っていた事だろう。人付き合いの才能、というものの片鱗を表しているのかもしれない。
(それら高官の誕生日などの細事に関しては会計士が管理していたようだが。)

どこまでが真実でどこが創作なのかは原作を読んでもいないし、関係資料をあたった訳でもないから知り得ないが、混沌とした時代の中でこんないい男がいたとはと非常に感慨深かった。
by shivaryu | 2006-10-15 23:05 | 映画