生贄のジレンマ(下)/土橋真二郎

年が明けた頃に読み終わった次第。
ちゃんと思ったところに話の焦点が行き着いた事に溜飲が下った感あり。

物語はよくわからないルール性の下で始まり、多くの犠牲を生みながら、学年全体で生死を問うところへ行き着く。(ここまでが上巻)
そしてそれを裏切る者が現れる事でクラスごとに如何に生贄を捧げ生き残るかへと遷移する。(ここまでが中巻)
最後にゲームは終盤戦へ、個人が如何に生き抜くかへと遷移していく。

つまるところ、人は自らが生きる事を止める事ができない。
誰かに死ぬよう指示できない分、自ら死を選択する事ができない。
このジレンマの下に生きているのである。

生きること、死ぬことといった高尚なテーマでこの物語を捉えて解釈しないと・・・ゲーム性とかエンタテイメント性においては若干パンチの弱いオチかなぁ、とは思う。(特に下巻は。)
そして、この着地については思った通りというか、予想の範疇であり、安心した。
変に突き放される訳ではなく、中巻までで考えさせられたポイントへたどり着き、かつ、それぞれのキャラクターの終点・結末へ収束していった点はさすがといった所だと思う。
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by shivaryu | 2011-01-02 03:51 | 読書