謎解きはディナーのあとで/東川 篤哉

会社の女性社員から「面白いから読んでみて」と薦められた1冊。
読むに軽いし面白い。ありそうでなかったかも知れない感じ。

主人公・宝生麗子は国立署・捜査一課(死亡事件担当)の刑事である。
という表の顔を持っている、お嬢様。
日本でも唯一と言える大財閥・宝生グループ。その総帥の娘である。
ただぬくぬくとお嬢様してるだけがイヤで何を思ったか刑事となった。
バーバリーの黒のパンツスーツを着ていながら「マルイで吊ってあったのを買った」と言い切り(男性警官は疎いので気づかない)颯爽と殺人事件の現場で立ち回るのだ。

さて・・・この本の帯に書いてある。「恐れながら、お嬢様の目は節穴でございますか?」と。
探偵ホームズに医者であるワトソンが随伴していたように彼女にもパートナーがいる。
それが執事・影山である。
くそ暑い熱帯夜であろうと真っ黒のスーツを着用し、宝生財閥のお嬢様をお守りしているのである。

殺人事件の現場を検証し終え、現場近くでリムジンを駆る影山がお出迎え。
帰宅し優雅なディナーを楽しんだ後でワインを飲みながら今日の事件について考える。
そんなときに影山が「何かのお役に立てたら」と事件現場や関係者についての情報を話す。
(もちろん一般的にこんな事しちゃだめだけど、そこは忠実なる執事との信頼関係あっての事)

そこでさっきの言葉だ。
一瞬、何を言われたかもわからなくなるような侮辱的な言葉。
「クビよ!クビッ!出ていけ!」とか言いながらも"さも犯人を知っている"げな影山を追い出せない。
ひと時はこの感情を堪え、影山の推理に耳を傾ける。
さすが「野球選手か探偵になろうと思っていた」だけはある。
現場の状況や関係者の人間関係などを麗子から聞いただけで見事に論理的に犯人を導き出すのだ。

と、こんなパターンの推理モノなんだが、キャラが立ってて面白い。
上司の風祭警部(環境汚染してガソリンを浪費するような車を売ってる会社の御曹司)もいい味を出す。
さすがにこのパターンで行くと早々にネタも尽きそうだが、この1冊を読みきるのにそんなに時間は必要なかった。
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by shivaryu | 2010-12-17 13:58 | 読書