生贄のジレンマ(中)/土橋真二郎

読み終えたのはもうちょい前だけど・・・。
12/24に下巻が出るのを確認しての購入だったけど、読了がちょっと早すぎたw

最初は性質の悪い"イベント"だと認識されていたけど、次第にこれが"ゲーム"だと思い始める。
誰が死に、誰が生き残るのか、という。

「生贄の穴」は、誰かが身を投じることで「自分以外の全ての人が生きながらえる」事ができる。
誰もここへ身を投じない場合は全滅なのだが、クラス単位で生き残る方法がある。
それが「投票システム」だ。
教室に設置された電子黒板にクラスメイトの名前があり、まるで営業成績のグラフのような状態になっている。
生徒達は先に行われた健康診断の後にリストバンドを装着されている。
これにはジョグダイヤルと液晶画面があり、時計表示がされているのだが、ジョグダイヤルを回すとクラスメイトの名前が順に表示される。
クラスメイトの名前が表示された状態でジョグダイヤルを押し込むと、その人へ一票投じる事となる。
多数決により最も票の多い者は死亡する。だが、これによってそれ以外の者は生きながらえる事ができる。

この"ゲーム"については特別な説明がなく、ルールが不明だった。
ただ「生贄を捧げなければ死にます」という説明だけ。
この"イベント"が始まった当初は誰もが悪ふざけだと思っていた、それゆえ混乱の中で「投票システム」は利用された。
自分で自分に投票して見せたのだ。(そして死んでいったのだが。)
これにより、悪ふざけのイベントではなく生き残りを賭けた"ゲーム"なのだと気付き始める。

「生贄の穴」の近くには巨大な電光掲示板があり、時間表示と「Value 24」という表記がされていた。
これがどういう意味なのかは当初わかっていなかったが、後に「生贄の穴」の価値であると判明する。
つまりは、生贄を捧げることで次のタイムリミットまで24時間延長されるのだ。
更には徐々にその価値は下がって行く事になる。

この「投票システム」により学生達は疑心暗鬼になり、あるいは恋人との愛を確かめて多くのみんなのために死を覚悟したり・・・。
友達や好きだった人の死に直面した絶望感や悲壮感と、生きるための希望がいいバランスで保たれた文章構成で飽きる事なく読み進められる。

ただ、誤字も散見されたり、また、一部わかりにくい言い回しなのか文章ミスもあった。
版を改める頃にそれらが校正される事を期待する。

とか言いつつ、下巻が今から楽しみで仕方ない。
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by shivaryu | 2010-12-06 15:20 | 読書