追伸/真保裕一

長かった・・・中だるみして読み疲れて時間をかけてしまった。

全てが二人の手紙のやりとりで進行していく本作。
主人公は造船技術士の男性とその妻であり出版関係の仕事に就く女性
男性はギリシャに、女性は日本にいる。
なぜ別々の場所にいるのか、それは読み進めば徐々にわかってくる。
話のテーマとなるのは、男と女・夫婦の愛。
ただ単なるラブレターの応酬ではない。
なぜなら、最初の1通目・女性からの手紙には離婚届が同封されている。
そこから男性と女性の葛藤に満ちた手紙のやり取りが進む。
途中、女性の祖父母の手紙のやり取りも交えるのだが、一貫して描かれるのは男女の性(さが)とそれを超越する愛情。(だと、少なくとも私は感じた。)

携帯電話が普通に手元にある世代にはきっとこの作品の良さはリアルじゃないだろう。
好きなあの子に電話をするのに「お母さんが出たらどう話そうか・・・お父さんだったらどうしよう」とか、
電話番号なんて聞けないから手紙を書いてみよう(住所は卒業アルバムなんかにも載ってたし)・・・なんていうのを体験している私と同じぐらいの世代であればきっと実感することだろう。
いや、携帯電話で思い通りに直接話ができる世代にこそ読んで「古きよき時代」を感じてもらいたいとも思う。
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by shivaryu | 2010-10-06 00:28 | 読書