告白/湊かなえ

映画を見た方に「これは観て」と勧められ、とりあえず原作本を貸してもらった。

松たかこさんが主演されている映画の原作である。
ぶっちゃけ、映画のCMだかポスターだかで見た印象だけ。
教壇に両手を広く置き、生徒達を・・・見てないと思った。視線は空を切ってるイメージ。
何かを誰ともなく語りかけるイメージ。語る内容はまさしく何かを「告白」する感じ。
この小説を読んでそのイメージは固まった。

ほぼ全編にわたり主要人物の一人語りで進行する感じ。
しかしそれぞれの思いが絡まり、事態は進行していく。
タイトル「告白」が全編にわたる象徴であるとして、読み終えた今、作中に書いている事が全てで、それら全ては真実だと位置づけた。
わざわざそんな位置づけをして完了したのには理由がある。
読後すぐに感じたのは「まだ語られていない何か」があるような気がしたから。
マスコミが好きそうな言葉で言うなら「心の闇」がテーマにあり、その闇を小説で語りつくせる訳もない、という気がしてならなかったから。

巻末に映画化された中島哲也監督のインタビューがある。
それを読んでいて共感できたのが、脚本化されている際に「深読みして収拾がつかなくなったことがある」という発言。
私なりの軽い言葉で言えば、人間の心情の全ては読みきれない、という感じ。
どれだけ言葉を尽くしても、身振り手振りをしても思う全ての気持ちは100%は伝わらない。
「雰囲気、共感できる」程度じゃないかなぁと。
75%伝わったら大成功としていいんじゃないか、ぐらいに思ってる。

この作品、ネタバレしたくない。
おそらくこの作品は原作よりも映画、松たかこさんの演技の方が面白いと思う。
というか、松たかこさんが演じているという事を知っている以上、彼女以外が演じる森口悠子(主人公。前述の教壇に手をつく教師)は思いつかない。
だからこそ原作を読むと彼女が目に浮かび、おそらく私なんかがイメージする以上の森口悠子を表現している気がする。

まだ公開してるし映画館いくか。
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by shivaryu | 2010-07-06 21:51 | 読書